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医療法人陽仁会上靑木中央醫院様 ~ カレンダーPlus・くりかえしPlus導入事例

「事務作業の時間が減り、患者さんと触れ合う時間が増えました。」

川口市上青木にて、高齢者医療と介護サービスを一体として提供されている上靑木中央醫院様。ご自宅や老人ホームへの訪問診療に関わる業務において、kintoneカレンダーPlusくりかえしPlusをご活用いただいているとのことで、同院で業務改善に取り組んでいる清水様にお話を伺いました。

(2021年12月24日掲載)

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上靑木中央醫院 医療連携室 主任 清水信貴氏

《Excelでの訪問診療の情報管理に限界を感じていた》

在宅訪問診療と老人ホームへの訪問診療を行っている上靑木中央醫院。当初は、医師の訪問予定や訪問診療にまつわる書類等をExcelで情報管理していましたが、清水氏は大きな課題を感じていたそうです。

「Excelで管理していると、『最新のファイルがどれかわからない』『誤ってシートをまるごと削除してしまった』『患者様の最新の情報が外出先で参照できない』といった問題がありました。また、Excelベースの管理では情報の転記作業が多く発生しており、医師や看護師といった現場の皆さんが事務作業に多くの時間を割いてしまう状態になっていました。更に、外出先から最新の情報にアクセスできないことも大きな課題でした。」

《kintone + カレンダーPlusの導入へ》

Excelでの管理に限界を感じ、新しいシステムの導入を検討していた清水氏。当初はAccessを導入してみたものの、管理の難易度が高く、現場の声をスピーディーにシステムに反映することができず、全く現場に浸透しなかったとのこと。

そんな中で出会ったのが kintone。

Accessよりも管理が簡単そう、かつ現場の皆さんにも使いやすそうとのことで本格導入に踏み切ったそうです。

「kintoneは、スピーディーにアプリを改善していけるところが大きなメリットで、現場の声を素早くアプリに反映していくことができますし、様々な情報を各患者様のマスタ情報と紐付けることができるため、常に最新の患者様の情報にアクセスすることができます。クラウドベースなので外出先からのアクセスも問題ありません。そして、訪問診療ではこうした情報管理の他に、スケジュールの管理も重要となってきます。元々Googleカレンダーを利用しており、様々な職種間での共有も可能ではあったのですが、『入力できる情報量が少ない』『集計できない』『他の情報と紐付かない』といった課題があり、スケジュール管理もkintoneで行いたいと考えていました。kintoneにも標準でカレンダービューが備わっていますが、『月表示しか行えない』『色分けできない』などの制約があるため、kintoneにリッチなカレンダー機能を提供するカレンダーPlusの導入が前提となっていました。」

しかし、月4回の老人ホームへの訪問診療であれば、カレンダーPlusによるスケジュール管理は比較的容易に行えるものの、在宅訪問診療では、患者様が70名~80名ほどいることや、患者様によって1週間毎、2週間毎、月1回など、様々な定期訪問パターンがあることから、繰り返し予定の機能が無いカレンダーPlusへの移行はできず、在宅訪問診療だけはGoogleカレンダーを使い続けることになったそうです。

《くりかえしPlusの導入でGoogleカレンダーからkintoneに完全移行!》

Googleカレンダーを使い続けていた在宅訪問診療のスケジュール管理。大部分の業務をkintoneに移行していたものの、この部分だけGoogleカレンダーを使い続けていることで様々な無駄が発生していたそうです。

「Googleカレンダーに予定が入っているため、当日の訪問リストはGoogleカレンダーを見ながら手作業でExcelに転記して作成していました。また、月ごとの実績集計もGoogleカレンダーを見ながらExcelに反映し手作業で作成していました。手作業にかかる時間も大きな無駄ですが、手作業が伴うと入力漏れや集計漏れが発生し得るため、情報の正確性にも疑問が生じ得ます。」

ただ、Excelで時間をかけて行っている手作業について、現場の方々は疑問にも思わず、特に困っていなかったとのこと。

「自分だけやきもきしていました(笑)。とは言え、カレンダーPlusだと繰り返し予定の登録機能が無く、患者様ごとの定期的な訪問予定を登録していくのはむしろ作業が煩雑になるため、どうしても移行に踏み切れずにいました。そんな中、2021年11月1日に開催されたCybozu Days 東京で、ラジカルブリッジさんから《くりかえしPlus》というプラグインが新たにリリースされたという情報をFacebookで発見し、『これだ!』と思いましたね。くりかえしPlusの繰り返し予定の一括登録・更新機能を使えば、在宅訪問診療のスケジュール管理もkintoneに集約できるぞと。思わずTwitterに喜びの声をツイートしてしまいました(笑)。すぐにお試し版をダウンロードしてデモアプリを作成し、現場の皆さんにプレゼンしました。ただ、ここで重要なのは、全てをkintoneに集約できるといったシステム的な観点が大事なのではなく、手作業が完全に無くなることや、情報の正確性が担保されることなど、あくまで現場の方にとってどれだけメリットがあるかという視点で説明しました。」

このような丁寧なプロセスを経て本格的に導入されたカレンダーPlusとくりかえしPlus、そしてその他の連携サービスを活用し、以下のような訪問診療アプリを作られたそうです。

  • 訪問診療スケジュール(カレンダーPlus、くりかえしPlusを利用)
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    • 老人ホームへの訪問診療と在宅訪問診療のスケジュールを一つのアプリで共通管理
    • 医者別で色分け
    • 個人宅への訪問予定はくりかえしPlusを活用
    • カレンダーPlus Proのリソース別表示では「医師別スケジュール表示」「老人ホーム別スケジュール表示」を設定


  • 医者毎に作成される当日の訪問リスト(帳票サービスを利用)
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    • 患者名や訪問時刻などの基本情報の他、以下の情報も出力
      • MCS(Medical Care Station)というチャットツールの患者様別リンク先QRコード
      • 次回診察日(くりかえしPlusにより、未来の訪問予定を関連レコードで表示できるようになったことから実現できたもの)


  • 医師別に月の訪問回数をカウントした表
    kamiaoki-1.png「これまで主に現場の看護師さんがExcelで作成しており、非常に手間に感じていた作業ですが、kintoneですぐに集計できるようになりました。」


  • 医師別に月の訪問回数をカウントした円グラフ
    kamiaoki-2.png「診療割り振りの参考に利用しています。」


  • 来月の予定を患者さん毎に集計し、訪問回数の間違いがないかチェックする表
    kamiaoki-3.png「月に2回訪問診療している人が、間違って月に3回入ってないか?などのように使用しています。」


  • 患者別・月別の集計表
    kamiaoki-4.png「医事課でGoogleカレンダーやExcelから印刷した紙の訪問表を見ながらExcelに転記していたものがkintoneで自動化できました。」


  • 地図の活用
    「訪問先の場所を地図で可視化し、効率的な訪問ルートの作成や、緊急の場合に駆けつけることのできる医師のあたりをつけるのに利用しています。」


《事務作業の時間が減り、患者さんと触れ合う時間が増えた》

老人ホームへの訪問診療と在宅訪問診療の両方のスケジュール管理が集約化された今、そのメリットについて清水氏はこのように語っています。

「直接的には、これまで手作業で作成していた『当日の訪問リスト』『月毎の訪問実績集計』の作成時間が完全にゼロになったことと、情報の正確性が担保されたことですが、事務作業の時間が減ることで、医師や看護師にとって最も大切な患者さんと触れ合う時間が増えたということが、今回の取り組みにおける大きなメリットと考えています。医師や看護師は事務作業を行うことが仕事ではありません。現場の人が現場の仕事に多くの時間を割くことができるという当たり前のことがようやく実現できたのです。
一方、kintone + カレンダーPlus + くりかえしPlusを活用した今回の取り組みを通じて、現場が業務改善のマインドを持つようになってきたということがより大きな収穫とも考えています。私自身は当院で業務改善職として活動してきていますが、今回の取り組みを通じて、業務改善は業務改善職の特権ではないということを考えるようになりました。現場の皆さんから、この部分をこうしたらもっと良くなるといった意見がどんどん出てくるようになったのです。そういう意味では、私は現場の皆さんによる業務改善活動を後ろからエンパワーメント(個人や集団が本来持っている潜在能力を引き出し、湧き出させること)する『業務改善刺激職』なのかもしれません(笑)。」



関連製品:kintoneプラグイン《カレンダーPlus》《くりかえしPlus》


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